ブログ
Blog
ウェディング
2025.07.09
【実例紹介】結婚式の料理、どんな内容?料亭ウェディングの魅力を献立から読み解く

私たちは、名古屋・白壁にある料亭「か茂免」で、1日1組限定の結婚式をお手伝いしています。
普段、会場見学にいらっしゃる新郎新婦とお話しするなかで、「料理にはこだわりたい」というご要望をいただくことは少なくありません。ゲストの皆さまに満足して帰っていただきたい、記憶に残るおもてなしをしたい、というお気持ちはどの新郎新婦にも共通しています。
しかし、そういった「料理重視」の方でも、実際に式場選びの段階で、どんな料理が出るのかを具体的に知ることができるケースは意外と少ないように思います。パンフレットにあるのは華やかな写真と「旬の食材」「和洋折衷フルコース」といった説明が中心で、実際の献立や構成は当日のお楽しみ、という形式も少なくありません。
▶当店のお料理ページ
https://www.ka-mo-me.com/wedding/food/
この記事では、そんな「料理にこだわりたい」と思う方に向けて、実際のご披露宴の献立を通じて、料亭での婚礼料理がどんな内容で構成されるのか、またどんな演出や工夫が可能なのかをご紹介できればと思います。
結婚式の会場を選ぶうえで、参考になれば幸いです。
か茂免における婚礼料理の考え方
料亭という会場で行う結婚式において、料理はおもてなしのメインになると私たちは考えています。
か茂免では、15,000円(税・サービス料別)からの献立をご用意しています。基本となる構成は以下の7品です。
※価格は税サ別、投稿時点の情報です

全ての品は季節の食材を取り入れた内容でご提案しており、各品「グレードアップ」が可能です。たとえばお椀を季節の食材から伊勢海老に変更する、御飯を鰻飯にする、デザートにケーキや珈琲を追加するなど、新郎新婦のご希望に沿って細かく組み替えていけるのが特徴です。
また「特別な料理をさらに美味しく感じてほしい」「ゲストに印象を残したい」といったご希望に柔軟に対応できるよう、お料理演出のご相談も承っております。
アレルギーやベジタリアンなど個々のご要望にも柔軟に対応しており(要相談)、実際の打合せで詳細を伺って構成を組み立てています。
私たちがご提案したいのは、「おふたりだけの婚礼献立を、一緒に作っていく」というスタイルです。
ある披露宴での実際の献立
ここからは、実際のお客様のご披露宴から、具体的な献立と演出の事例をご紹介いたします。
当日の献立
春にご婚礼をされたI様&A様のご披露宴では、春の旬を取り入れた以下のような献立をご用意しました。



祝先附
福焼売唐墨掛け、レモン稲荷、鰊昆布巻き、桜鱒オイル焚き、蛍烏賊、おから五目煮、絹さや

御造り
平目、本鮪、平貝、祝妻一式

進肴
海老真薯揚げ、鮎鉄火味噌、大根、胡瓜

御椀物
新玉葱すり流し 白甘鯛の塩焼き、くるみ餅、厚揚、レモンの蕾

寿鉢(温物)
飛騨牛と筍のしぎ焼き(唐墨掛け)、クレソン、木ノ芽、トレビス

御食事
新生姜御飯ー海鮮出汁仕立てー、蜆豆味噌仕立て、香の物

水物
ウエディングケーキ、苺、オレンジ、林檎
「料亭だからこそ、メイン料理には特別感を」「ゲストの心に残るものにしたい」というご希望を反映した献立内容です。
料理演出① お餅つき → 「くるみ餅」へのアレンジ

か茂免では、和の演出ということで「お餅つき」が大変人気でございます。通常はきな粉・餡子で仕上げて、デザートとして提供するのですが、今回のご披露宴では「ウエディングケーキもあるので、甘味が続くのは避けたい」とご相談をいただきました。
そこでご提案したのが、お餅をお料理の1品として取り入れるスタイルです。当日は「くるみ餅」にして御椀物をアレンジ。白甘鯛や厚揚とあわせて、春の香りを添えながら仕上げることで、演出と料理をひとつに融合させる形になりました。
料理演出② ライブキッチンで「だし巻き玉子」

また、もう1つの演出として、料理人による「だし巻き玉子」のライブ調理を行いました。
ご希望のきっかけは「料亭らしいおもてなしを演出に取り入れたい」というお話でした。いくつかご提案した中で、会場内に調理スペースを設けて、料理人が1つずつ丁寧に巻き上げるスタイルを採用。
目の前で焼き上げる香りや音、ふんわり立ち上る湯気は、視覚・嗅覚・味覚のすべてに働きかける“記憶に残る料理演出”となりました。
新郎新婦より、「ライブキッチンを取り入れたことで、より出来立ての料理が振る舞われ、ゲストの皆様からも大変ご好評いただきました!」と仰っていただけました。会場全体が一層賑やかで活気ある雰囲気となりました。
料理は「演出」であり「おもてなし」そのもの
結婚式の料理というと、豪華なコースが振る舞われる「ごちそう」として捉えられることもございます。ですが料亭という空間では、「料理」そのものが貴重な体験であり、そしておふたりのおもてなしの想いを伝える手段のひとつになります。
「こんな料理でおもてなししたい」
「自分たちの想いを表現したい」
そういった思いを形にするうえで、料亭の結婚式は非常に自由度が高いと感じています。
もちろん、料亭の結婚式がすべての人に合うわけではありません。ただ、料理を大切にしたい方にとっては、こうした「1皿ずつに意味がある」スタイルが、理想に近い選択肢になりうるのではないでしょうか。
結婚式の会場を探されている皆さまにとって、ひとつの参考になれば幸いです。